怪集のルール
怪集は、不特定多数の参加者による恐怖小説の募集を通じて、商業的に通用する作品及び商業的に執筆する能力がある著者の発掘を目指す大会です。
より恐ろしい作品とそれを書ける才能を持つ人材を、より多く見出し、支援し、読者の需要を満たしていける最初の一歩たる機会を作ることを目指しています。より恐ろしいことを思いつく想像力、的確に形にする文章力、応用力、読者の心理を掴む力、より多くの読者を惹き付ける魅力、そして機転の利く人を探しています。
作品募集に当たって、幾つかのシンプルなルールがあります。
これだけではピンとこない人は、もっと詳しい説明をご覧下さい。
●内容に関する課題 ――こんな作品を募集します
(1)実話以外の恐怖譚であること
応募者当人が独自に、怪集参加のために新たに執筆した新作の恐怖小説であること。
実体験に基づく逸話、及びモデルとなった人物及びその遺族が存命中であるもの、実話怪談に分類されるものについては、募集対象に含まれない。
怪集は「互いに接点のない著者間で、架空の設定を共有する」というルールを持つが、このルールに則した時点で、実話怪談は「実話」ではなくなり、その価値を失う。
また、多くの小説作品が訴訟問題に及ぶケースの原因の多くは「モデルとなった実在の人物」からの訴えによるものでもある。そうした訴訟の多くは「演出のために事実がねじ曲げられた」ことに対する怒り・不満・批判に根ざすものが多く、実在の人物をモデルとした場合に怪集の趣旨と衝突する可能性を100%は回避できない恐れがある。
以上の理由から実話と小説が混在することは、実話の価値を失わせ、小説は不要な訴訟リスクを負うことになりかねないため、本企画では募集対象を著者による恐怖小説とし、実話怪談は完全排除とする。
実話怪談の応募は、小説完全排除の実話怪談著者発掘大会・超-1へ。
読者に何らかの恐怖感を与えることを目的として、応募者当人が執筆した小説であれば、作風・文体・ジャンル・追加題材・指向性などについては特に問わない。
心霊譚に限らず、サイコホラー、バイオホラー、恋愛ホラー、学園ホラー、江戸ホラー、偏執的恐怖譚、民話風妖怪譚、スリラー、サスペンス、犯罪モノ、SFすら厭わない。要は、怖いかどうか。
著者が「怖い話」と思って書いた小説であれば問題ない。
ただし、他の大会・同様のコンテストなどに発表した作品、商業誌などに既に掲載された作品については、応募作の対象外とする。インターネット上のblog、掲示板、SNSなど、不特定多数が閲覧可能な場所に応募前に掲示された作品についても原則として対象外とする。既存の商業作品のキャラクター・設定、既存発表作品と文章が完全一致するものについてもこれに準じる。
盗作の可能性が疑われる作品、またはインターネット上での先行公開の痕跡があった作品については、疑惑について告発があった時点で、根拠についてのリンクを付加し講評者の判断材料とする。
※「遺伝記/2008」は怪集/2009のプロトタイプであり、ここで発表された作品群は、怪集の既存作品の範疇に含まれる。このため、遺伝記/2008で登場した人物・アイテム・要素の再使用はOK。
ただし、今回の新ルールにある「自分の作品に直接連鎖させてはいけない」が適用されるため、自分が以前に書いた作品への単独の直接連鎖はNG。人物・アイテム・要素の再使用は、怪集のルールに抵触しない範囲でOK。
遺伝記で話題になった「堀田春」などはハリー・ポッターの剽窃ということになるため、怪集ではNG。
遺伝記と怪集でルールが異なる場合は、原則として怪集ルールが優先される。
(2)公開中の他の応募作と設定上の繋がりを持つこと
必ず、怪集/エントリーblogで初めて公開された先行作品のいずれかと、設定的な連続性・連鎖性・近接性を持つこと。
怪集は設定という因果の一直線ではないリレーと拡散を念頭に置いている。
先に公開されている作品のうちいずれか最低一作以上〜最大三作までと、設定上の何らかの連なり、血縁、因果を持たせることで、個々の作品は怪集という「作品群」の全体の一部となる。
自分の作品が別の作品へのアンカーとなり、また自分の作品をベース(上流)に発展した下流に位置する他の作品が、自分の作品へのアンカーともなる。
因果の対象となる要因は、登場人物、小道具、舞台、時代、事件、その他の引き継げるあらゆる要素が有効。
優れた(または、援用しやすい)設定を持つ作品は、それを因果として設定を引き継いだ後継作、または「下流直系に位置する子孫作品」を多く生み出す重要なキーパーソンとなる。
設定上の上流・下流は、時間経過の上流・下流とは関係なく、設定を引き継いでいるか連続性を保っていれば、例えば物語Aの前段階としての話Bを、Aより後に書くことも可能。他に、物語AとBの間を繋ぐ物語Cを後から書いて直接接点のないAとBを繋ぐ、ということも可能。
なお、引き継がれる設定の影響は直接因果を繋がれた直近の隣接作品まで。
例えば、物語Aの設定を継承した物語Bの設定を継承した物語Cは、直接接点のない物語Aの設定のうち、物語Bが引き継がなかったものについては、影響を受けない。
自分一人でたくさん書いて、自分の話だけをどんどん繋いで自己完結した連作を増やすことは禁止。
実際、応募者が少ないまたは応募作の総数が少ない場合、たくさん書くほど設定が重用されて有利になる。自分が10作書いている間に他の人が合計3作しか出していなければ、そのまま自作だけを繋いだ自己完結連作になってしまう。
連作は、「自前の設定ばかりを利用した自閉的なもの」に陥りがちになるため、自作と自作の間には、必ず別の作品が挟まることを必須とする。
※ただし、他の作品に対して一本以上の因果が繋がれている場合に限り、例外的に自作品との連鎖OK。
(4)同時に、それ一作で独立した話として成立していること
その話だけを読んでも独立した話として読むことができる、自立性がある話であること。
読者にはそれぞれ固有の好みがあると同時に、すべてが同時に同じ話から読み始めるわけではない。手当たり次第に目に付いたもの、気に入ったものをそれぞれランダムに選んで、どこから読み始めるかわからない。
大河小説は、必ず第一巻の一話目から順番に読むことを読者に強いるが、怪集はどこからでも読み始められることを目指している。
このため、個々の話は他の話を読んでいなくても、読み物としては成立していなければならない。
他の作品と設定を共有していることが、その作品を読むために読者に強いる足枷になるのではなく、「次の作品を読むときにはプラスの効果を与え、作品単体でも勝負ができる」というものであることが求められる。
(2)設定因果+(3)独立して成立のルールは相反しているようでいて一体の概念なのだが、図説すると次のようになる。
通常、作品Aの続編が書かれるとした場合、図2-1のように、時系列順に書かれることになる。
図2-1-1(一列型)は、一般的なリレー小説・連作小説・大河小説などの形態で、作品がAからDに向けて順番に書かれると同時に、B以降の作品の著者は常にそれ以前の設定を網羅・踏襲していなければならない。例えば読者は作品Dから読み始めても、作品A〜Cの設定を踏まえなければ作品Dの内容はわからない。あくまでAから順にどうぞ、ということになる。
物語の「if」を踏まえて、図2-1-2(分岐型)のように続編がパラレルに分岐していくという物語形式もある。これは初期のアドベンチャーゲーム、サウンドノベルなどに引き継がれたスタイルのひとつで、物語に別の可能性や別の展開・別の結末を示唆することになった。これは、「分岐した先はあったかもしれない完全な別世界」とするものと、一列型の拡大型とに分かれる。
例えば、A→B→E→Hと読み進む場合、C、D、F、Gを把握する必要はないものの、やはり上流から下流に向けて時系列順に読み下っていくことになり、作品Hを読むためにはA、B、Eの把握が必要という点では分岐型も一列型と変わらない。
怪集では、作品の書かれた順番と、設定の上流下流は必ずしも一致しない。図2-2(怪集型)にあるように、書かれた順番はA、B、C、Dの順になるが、例えばEは「作品AとD」、Gは本来接点のない「作品CとD」のミッシングリングを繋ぐ話となっている。
また、作品DはE、F、G、Hの4作品からリンクされている(この場合の因果の上流はDで、E、F、G、HはDを直系とした子孫となる)。先に公開されたBの子孫はG、Dの2作品のみだが、Dは親より多くの子孫を残した、人気のある設定を持っていることになる。
さらに、怪集ルール(3)にあるように、個々の作品はそれぞれが「それ一作で独立して読める」ものでなければならない。例えば作品Dやその上流にあるB、Aを読んだことのない人が、作品Dの設定を受け継いでいる作品Eから読み始めても、作品Eは単独で物語として読めるものになっていなければならない。
図2-2の例で言うと、作品Fは作品Dの設定を受け継ぐが、その上流にある作品B、A、Cの固有の設定は特に考慮しなくてもよい(もちろん、考慮してもよい)。
より多くの作品と関係を持ち、より多くの因果を繋いだ子孫作品が連なる作品は、怪集の作品群の中において「重要な設定を持つ話」という位置づけになる。この図にある作品Dのように、自身の生んだ設定を引用する子孫が多ければ、作品E、F、G、Hの読者に遡って読まれる可能性が高まる。また、作品Gのように自ら作品B、C、Dにリンクすることで作品B、C、Dの読者を獲得することもできる。
怪集は、このように「如何にして他の作品の読者に、自作品を読んでもらうか?」または「より多くの読者を獲得し、感想・評価を得るか?」を、他の作品の設定を受け継ぐということで成立させる概念になっている。他の作者の共感を引き出し、他の作者に影響を与えた作品は、自然と多くの子孫を生むことになる。
(4)虫に関連したテーマを孕むこと
怪集/2009全体の統一テーマは、虫。
例えば、昆虫、多足類、節足類、寄生虫類など、足の数に拘わらず虫を、題材または作中小道具に必ずひとつ加えること。
この条件を満たしているかどうかは、質疑応答などで特に主催者に諮問されない限りは、「説得力があるかどうか」で個々の審査員が判断する。
他に、昆虫以外の「虫」という文字が付く生物全般(サナダムシ、アニサキスなどの、原生動物門などに含まれる寄生虫類、蜘蛛、百足などの多足類等)も範疇に含まれる。
また、「蓼食う虫も好き好き」など虫の付く諺、「弱虫」「泣き虫」「虫酸が走る」など虫を含んだ用語、「虫という文字が含まれるが生物としては存在しないもの、状況」もテーマの対象内。
虫について、強く印象付けること。
ただし、「おしりかじり虫(c.うるまでるび)」は怪集の外にある既存キャラクターなのでNG。
また、茶碗蒸し/布団蒸しはそれだけでは「虫」の範疇に入りませんが、これに「虫」が絡んでいればOK。
●応募に関する規定 ――作品応募についての諸々
作品応募資格については、年齢、性別、国籍、経験の有無の一切を問わない。
過去に他社の主催した類似賞の受賞歴及び、商業的出版経験の有無も問わない。
手紙や作文、メール以外に文章を書いた経験がない人から、職業的なライター・作家として生活をしている人に至るまで、参加資格に制限は設けない。
(2)長さ不問/応募数不問
応募作品は標準的分量としては3000字程度(文庫本4〜5頁相当)を基準に、1行からok。下限なし。上限の目安としては、20000字程度(およそ40字×16行×30頁相当)。多少のオーバーは厭わない。
応募者一人当たりの応募数は最低1話以上。上限なしで一人何作でも構わない。ただし、実力がまぐれではないことを証明しようと思ったら、複数作品の応募と、それぞれについて同程度以上の評価が欲しいところ。
例えば、文庫1冊分相当の長編、数十頁相当の中編でも構わないが、本企画と同等のシステムで4回に渡って開催された超-1では、長すぎる話は読者に読まれにくい傾向があった。本企画の審査システム(後述)、及び他の著者による因果の繋がりを重視する怪集ルールでは、「読者に読まれにくいもの」や「数をこなす上で障害になる長すぎるもの」は敬遠され、評価されにくくなる可能性もある。その一方、本企画のプロトタイプとして2008年に行われた「遺伝記/2008」では、数十頁から成る中長編クラスの作品に傑作が多く見られた。
また、応募数は一人何作でもかまわない。10作でも100作でも問題ない。後述する審査は作品ごとに行われるが、傑作選への掲載は一人一作ではなく、原則として評価の高かったものから順に選抜される。応募数が多くなる=より多くの作品を執筆する能力があり複数作が傑作選に収録された著者は、より多くの賞金を得るとともに商業執筆機会の獲得が容易くなる。
(3)作品受付はWeb上からのみ、データ化されたテキスト原稿のみ
作品応募は、怪集公式サイト上に用意された、応募受付CGI(
http://www.kaisyu.info/cont/ )からのみ受け付ける。
手書き原稿/CD-R/DVD-Rメディアの編集部宛郵送などは、受け付けない。
手書き原稿/CD-R/DVD-Rメディアの郵送が受け付けられない理由として、手書き原稿はテキスト化に時間が掛かるため。また、CD-R/DVD-Rメディアも、ある程度数がまとまってから編集部から事務局に転送されるため、応募内容がWebに即時反映されにくいため。
また、後述の傑作選及び後々の活躍の機会提供に当たって、メール送受信/ネット接続環境が整備されていることが出版に関わる者の基本条件として求められる機会が増え始めているため。
また、原稿は、受付CGIへの直接書き込みか、拡張子.txtのテキストファイルとして添付されたものを受け付け、ワード形式、一太郎形式など、独自の装飾定義が施されたものは、Mac、携帯などその他の環境で作者の意図通りの表示が出来ない場合があるため、受け付けない。ワード、一太郎などで作成したファイルは、必ず「拡張子.txt」の形式に変換保存してから送付すること。
ただし、一般的なWebブラウザで表示可能な拡張子.htm/.htmlの、HTML形式のものは受け付ける。
(4)作品受付(締切)期限は2009年9月15日到着分まで
作品の締切は、2009年9月15日 23時59分59秒までに、応募受付CGIが受け付けたものまで。
これを過ぎて到着したものは、コメント講評/トラックバック講評を受け付けない参考作品とされ、審査対象外となる。
●審査(講評)に関するルール ――優秀作はあなたが決める
(1)応募作品は、最終結果発表まで匿名で公開される
応募を受け付けた作品は、エントリーblog上にて作品受付順(原則)に公開する。
このとき、タイトル-本文、因果元の上流作品へのリンクのみを掲載し、最終的な結果発表までの間、作者名(応募者名)は匿名とし、公開しない。
怪集では、個々の作品を純粋に一作単位の作品内容のみで審査する。
同じ作者が以前書いた別作品との比較は、作品評価に対して特定作者への肩入れ/思い込みからの下駄を履かせたり、また特定作者への穿った反発心から無意識のうちに不当に点数を下げて評価してしまうといった不公正を引き起こしかねない。例えば、作者が知名度のある職業作家であった場合とまったくの無名であった場合では、「プロなのにこの程度」「素人にしては上出来」または「好きな作家だから上乗せ」「どこの馬の骨かわからないので値引き」といった、作品内容以外の要素による審査の加減が発生することが考えられる。
これを未然に防止するとともに、あくまで作品内容本意、また一作単位での出来不出来を一作単位で審査するために、その審査の障害になりかねない作者名については、全ての審査が終了した後に審査結果と同時に発表される。
なお、公開中の作品の因果系図は、Frieve Editor(フリーウェアfor XP)用のデータとして逐次提供される。
Frieve
Editorはhttp://www.frieve.com/feditor/から入手可能。
※インストールとソフトウェアの利用は自己責任でお願いします。
(2)応募者は自分の作品を客観的に自己査定する
応募者は自分の応募作品の出来について、作者であることを伏せた上で一読者と同等の視点から必ず自己査定する。
自己査定は、エントリーblogに公開された応募作品のページへのコメント(+採点)、または個々が別個用意した講評用blogなどからのトラックバックによって行う。
匿名で公開される自作品への自己査定は、作者の視点からではなく、あくまで一介の読者の視点で行われる必要がある。このため、応募者がコメント講評や講評用blogから講評を行う場合は、必ず応募者名と異なる講評者用ペンネーム(応募者名を推測されにくいもの)を用意し、大会中は一貫して同一の講評者用ペンネームを用いること。(講評遂行の有無は、エントリーblogのログファイルから抽出・集計)
あくまで当人としてではなく、第三者的な立場から自己査定すること。
この自己査定は、他の応募者の作品への審査(後述)と、同様に行うこと。
自分の作品について言い訳すべき点は何もない、絶対の自信があるという場合はもちろん自画自賛してもよい。
(3)同時に、他の応募作に対して相互審査(講評/採点)を行う
応募者は、他の応募者の応募作品の出来について、自分自身も応募者であることを伏せた上で、一介の読者と同じ視点から審査を行う。
審査方法は自己査定と同じく、エントリーblogに公開されている応募作品のページへのコメント(+採点)、または個々が別個用意した講評用blogなどからのトラックバックによって行う。
怪集には、絶対の判定基準を任じる裁定者としての専門的審査員は存在せず、応募者同士の相互審査+一般読者による審査(後述)を総合したものを、審査結果とする。
強い権限を持つごく少数の審査員の好みによる偏りを減じ、不特定多数の読者の支持を集め、競争する他の応募者からも認められた作品を、より多く残した者が選ばれる、というルールとなっている。
怪集では「他の応募者の作品と自作品との連結・設定の因果」を重視するため、他の作品をもよく読み下す能力も重要である。また、全ての応募者が互いの応募作の出来映えを相互に匿名のまま審査しあうことによって、純粋に内容についてのみの本音の意見交換が可能となる。
また、早い段階で書かれた講評は、その後に続く講評者の印象に影響を与える場合があるが、それが無難な褒め殺し、保身のためのリスペクトに終始すれば自分以外の誰かが有利になる。逆に恣意的な揚げ足取り、あからさまに痛烈な批判のみに終始すれば、審査終了後に後々激しい批判と妬みを得る。
どういったバランス、どういった基準に基づいて審査を行うかについては、個々の応募者の主義信念に委ねられる。
応募者は、他の応募者の応募作品全てに対して必ず審査(講評/採点)を行うこと。
応募者間の条件は、応募者であり同時に審査員でもあるという点で平等である。
(4)応募者以外の一般読者も審査員(講評者)として、作品の審査に加わる
自己査定+応募者同士の相互審査に加えて、作品応募はせず純粋に作品閲覧だけの一般読者も審査員の列に加える。
条件・方法は(2)自己査定、(3)相互審査と同様。審査方法は自己査定と同じく、エントリーblogに公開されている応募作品のページへのコメント(+採点)、または個々が別個用意した講評用blogなどからのトラックバックによって行う。
一般審査員には、応募作全作を審査する義務はない。
故に、一般審査員の興味・好みによって、作品ごとに審査の母数が変動する場合がある。
一般審査員の興味をできるだけ多く惹き付け、高いの支持を集めた作品ほど高評価となる。
怪集は、一握りの著名人審査員ではなく、不特定多数の他の応募者と一般の読者という、正体不明・嗜好不明の審査員に評価を委ねる審査方法を採る。
これは、実際に発売される書籍は、一体何処の誰が手に取り買っていくのかわからず、趣味嗜好のわからない読者それぞれの評価が、書籍作品の実際評価を決めるという書籍販売の現実を模している。
好みがわからない/傾向と対策の立てられない通りすがりの読者を、どれだけ惹き付けられるかが重要である。
※集計時、通りすがり講評も含めて全ての採点結果を集計する。このとき、自己査定/一般講評も含めて、全応募作の半数に満たない講評者の数値は参考値とする。例えば100作の応募に対して50作以上の講評を行った講評者は配点内容に関わらず信頼性がある講評者、50作に満たない講評者は配点内容に関わらず信頼性が低い講評者、として集計する。
(5)審査(講評)期限は2009年10月1日まで
作品受付期限(2009年9月15日)の後、審査(講評)に専念する期間を設ける。
最終的な審査受付の締切は、2009年10月1日23:59:59に反映された分までとする。
●審査結果と賞金・権利に関する確認
(1)審査結果は今秋発売予定の傑作選(仮)とWeb上で同時発表される
各審査員(応募者、一般審査員)の審査結果を集計した上で、2009年秋に発売予定の傑作選(後述)誌上と怪集公式サイト上で最終的な結果を発表する。公式サイトでの発表は、傑作選(仮)の発売と同時に行われる。
作品名=作者名の公開も、これと同時に行われる。
(2)審査(講評)により、上位となった作品は傑作選(仮)に収録される
2009年秋、怪集参加作品の中から、各審査員の審査(応募者互選、一般審査員推奨)の結果、好評・高評価のものを選抜した傑作選(仮)を刊行する。
傑作選への収録基準は、「応募者による自薦・互選・一般審査員に多く推奨されたもの(=審査点数の上位)」を尊重した上で、取捨選択される。
(3)傑作選(仮)掲載分に対して支払われる原稿料/印税報酬が、実質的な賞金となる
怪集は別個に副賞としての賞金を設けないが、傑作選(仮)に収録された作品については、掲載分量から算出した原稿料/印税報酬が支払われる。この原稿料/印税報酬を以て、実質的な賞金相当額とする。
原稿料/印税報酬は傑作選(仮)の刊行元出版社の規定及び出版契約書の定めるところに基づく。
出版界の慣例では、出版印税は「発行物の売価×発行部数(初版発行部数は慣例で公開されない)×10%(取り決めにより上下することもある)」とされており、傑作選に掲載された分量(頁数割)に合わせて、これを分割支払いする。
例えば、全体で224頁の本に、同じ著者が書いた4頁の話×10話が掲載された場合、その著者には40/224頁分が支払われることになる。
怪集では、「一冊に一人一話のみ、できるだけ多くの著者を掲載」という規制はなく、個々の作品が高評価であれば、一人で何話でも掲載される。
また、一人だけ抜きんでて多くの作品を応募し、それらがおしなべて他を圧倒する高評価であった場合、実質的に傑作選を一人占め、という形での掲載もあり得る。
あくまで審査員の互選・推奨の結果が尊重される。
一話のみに集中して、一作だけの傑作を心がけるのもよいが、傑作を量産できる著者には相応の評価報酬が還元される。
なお、怪集の傑作選(仮)は、2009年秋、竹書房文庫からの刊行を予定している。
(4)個々の応募作の著作権は応募者当人に帰属する
個々の応募作品の著作権は、応募者当人に帰属する。
怪集-エントリーblog(Web)での公開(公衆送信)に当たっては、怪集事務局に対して公衆送信に関わる手続きの代行を委任するものとする。怪集事務局は、エントリーblog(Web)での公開に際しては、手数料の徴収及び支払いなど公衆送信に伴う利益の授受を行わず、作品受付/作品公開に類する作業を無償で行う。
応募作品の出版権、頒布権、上映権、その他の著作権に隣接する諸権利もまた応募者に帰属するが、それらの実際の取り扱いについては、応募者による応募受付CGIを用いての作品応募が行われた時点で、傑作選(仮)の刊行を請け負う出版社に対する優先的な委任/委託に同意したものとする。
応募作の傑作選(仮)への収録掲載に当たっては、個々の応募者と刊行元出版社との間で、改めて出版契約書を交わすものとし、著者の権利は出版契約書の定めるところによって確認する。
怪集への応募作品及び傑作選(仮)の電子書籍化に際しては、別途、電子書籍刊行元出版社との間で改めて出版契約書を交わすものとし、著者の権利は出版契約書の定めるところによって確認する。
「怪集」の開催概念、システム、コンセプトに関する権利については、主催者(加藤一)+怪集事務局が権利について優先的な判断資格を有する。
原稿料・印税報酬は、執筆された原稿が採用された場合に、原稿文章に対する対価として支払われる。怪集のルールに基づく「設定/アイデアの援用・引用・拡張」がなされた二次的作品(因果の下流にある作品)に対して、一次的作品(因果の上流にある作品)の著者は、報酬に相当する対価を得る権利を付与されない。二次的作品は因果の上流にある一次的作品に対して、設定に関する権利を主張しない。
怪集に応募受付CGIを用いて作品が送信された時点で、応募作品の持つ設定・アイデアの一部について、応募者当人以外の他の応募者がそれらの設定・アイデアの援用・引用・拡張を行うことに同意したものとする。
同様に、怪集に作品を送信した時点から、他の応募者による設定・アイデアの一部について、別の応募者が援用・引用・拡張を行うことができるものとする。
(5)応募作の自主公開は全結果発表後とする
怪集に応募された個々の作品は、審査結果発表(傑作選発売後)以降は、応募者個人のblog、掲示板、Webサイトなどに自分の作品としての自主公開が解禁される。
審査結果の発表(=著者と作品名の同定の終了)までの間は「誰がそれを書いた作者なのかを伏せるルール」に基づき、怪集-エントリーblog以外のblog、掲示板、個人のWebサイト、他の類似企画など、著者名と作品名・内容がセットで公開できる場への公開を控えていただく。